運命の恋、なんて。

「碓井くんから聞いた話だけどね。胡桃って、なんかミステリアスだって…なに考えてるのかわかんないから、もっと知りたいって思ったみたい」




「そうだったんだ…」




そんなこと、全然言われなかったな。




「今さらだけど。前に、八雲くんのことで、え?って思うことがあったの」




「なに?」




「八雲くんって名言が好きらしーじゃん」




「うん、そうだね…」




「その中でも、特に気に入ってる言葉があるって碓井くんから聞いたことがあって」




「あ、それあたしも本人から聞いたよ。バラの蕾がどうとかいうやつだよね?」




「え、違うよ。言葉はなぜ発達したのか、それは女を口説くためだって。バカじゃん!」




うわ…それ、最初に一緒に見た映画で、主人公が言っていたセリフだ。




さらっと聞き流していたけど、そのいう言葉も八雲くんには響いたんだね…。




「なんか、自分に酔ってるだけじゃない?八雲くん、自分本位だよね…胡桃の気持ちが手に入ったら、ほったらかしで。後のフォローもせず、あっさり他の子と付き合ってるなんて…ひどすぎるよ」




「…………」




「八雲くんのこと、まだ好きなのに悪く言ってごめんね。胡桃のこと傷つけてムカつくからさー、悪口止まんないよ」




「フフッ」




「あれっ、今胡桃…笑った!?」




どうしてかな、自然と笑みがこぼれた。