運命の恋、なんて。

「今日ね、帰りたくない」



「おおっ、過激発言!」



八雲くんより早く、ヤスくんが反応した。



「バカだな、ヤス。胡桃ちゃんは言ってるだけ。泊まりは絶対に無理だから」



全然本気にしてないよね、八雲くん…今日はホントだよ。



あんな家に帰りたくない。



「お母さんとケンカしたの…今日、泊めてくれない?」



「え、マジか。俺はいーけど…」



ホッ…。



だめって言われたら、どうしようかと思った。



「大丈夫?もし泊まるなら、ちゃんと連絡しな。心配するから」



「かけられないよ…また、だめって言われるに決まってる」



今だって、見るのが怖いけど…きっと、恐ろしいほどの着信件数が履歴に残っていそう。



「それでも。うち泊まるなら、ちゃんと電話すること」



「えー…」



八雲くんの家に泊まるって言えば、家の人と電話を代わってといいそう。



そしたら一人暮らしなことを言わないといけないし、更に状況が悪化するのは目に見えてる。



それこそ、見たこともない雷が落ちるはず。



…困ったな。