運命の恋、なんて。

「胡桃は悪くねーじゃん。俺は、極力家にいたくねーから、一人暮らししたいのに。さっさと就職して、家離れるわ」



「寂しいな…」



「こっちがメンタルやられる。なんなんだろなー。色々不満あるのもわかるけど、あんなだから親父も家に寄り付かねーし」


「お父さんが?」



確かに、物心ついたころからお父さんはほとんど家にいなかった。



朝は早くて、帰りは毎日0時頃。



土日も休日出勤だといっては、いそいそとでかけていく。



家にいるときは…自室にこもってテレビを見ていて、ほとんど会話もない。



お父さんって、そんなものだと思っていたけど…そうじゃない?


「そ。稼ぎが悪いから、女作る甲斐性もないって、よくバカにされてるしな」



「ひど…」



「そーなんだよ。だったらお前が働けって思うんだけどさ、安い給料やりくりして、ストレス溜めて、俺らで発散。もう勘弁して欲しい」