運命の恋、なんて。

「大丈夫、振り切るから…」




「ハハッ。それなら安心した。にしても、厳しいな…これから早く返すように気をつけるな」




「遊ぶときは20時までに帰れば大丈夫だと思う。ねぇ、八雲くんのところは?中学のとき、学校休んでも親になにも言われなかったの?」




「ウチ?全然だなー。いなくても気づかない。親父、飲んだくれだから」




「そうなんだ…」




そんな家も、あるんだね。




「お母さんがいないって、やっぱ大変だよね」




ウチは口うるさいけど、料理と洗濯だけはしっかりしている。




それだけでも、楽なことは確か。




「そうでもない。自分のこと、自分でするようになるし。あの人とも、たまに連絡とってるから親子の絆はそれなりにできてる」




「あの人?」




「ああ、母親のこと。やっぱ俺のこと心配なのか、たまに連絡くる。小学生のときに家出てったから…もう、母親って呼ぶのは抵抗があって。だからあの人」




そうなってしまうほど…心の距離があいてしまったってことだよね。




お母さんが突然家を出ていくなんて、想像できない。




きっと…かなり辛い思いをしたよね。