運命の恋、なんて。

「とりあえず、その辺座って」




ラグの上に座っていると、買ってきた食べ物を八雲くんがテーブルの上に広げた。




「食べよ~ぜ」




「うん」




一人暮らしの部屋にふたりっきりなんて、かなり緊張しそうな場面だけど…意外と、平気だった。




さっきまでは少し重たい雰囲気だったけど、八雲くんの軽いキャラのおかげ?




「魚飼ってるって、意外。好きなの?」




「もらった。捨てんのもな」




熱帯魚くれる人なんているんだ?




それも意外。




そう思っていたら八雲くんが話し始めた。




「ウチの学校に、水生生物愛好家がいて。そいつにもらった。よく見ると、水槽ん中色々いるよ」




なに、その噛みそうな名前の愛好家。




さっぱりわけがわからない。




「顕微鏡じゃないと見えないような生物も、いっぱい入ってる。そういうのを研究する道に進みたいんだ俺」




え…。




突然のカミングアウト。




ううん、八雲くんの中では普通のことかもしれないけど、あたしからすれば未知の世界。




生物の研究?




なに、それ。




もう全く次元の違う世界だ。