運命の恋、なんて。

「あ、引いてる?だよな」




「ううん、そうじゃないの。ちょっと、驚いただけ」




なんて言えばいいのか、わからない。




気の利いた言葉も思いつかず、ただ愛想笑いをするだけ。




情けない…。




こんなときに、かける言葉すら浮かばないあたしは、彼女失格かもしれない。




「いいって、普通引くだろ」




いつもは、キラキラして見える八雲くんが…なんだか小さく見える。




中学のとき、うしろ向きだったって…家庭のことも関係してるのかな。




きっと、そうだよね…。




「ううん。自立してて、すごいよ。あたしなんて、お母さんに洗濯してもらって、ご飯作ってもらってダメダメだよ。八雲くんは、全部自分でしてるんだよね?偉いなぁ」





「偉くないって。洗濯も飯も適当」




それにしては、やせ細ってるわけでも、不衛生なわけでもない。




部屋も八雲くん自身も小ぎれいだし、きっと几帳面なんだよね。