運命の恋、なんて。

そういう反応をするってわかってたのか、やんわり笑って頭を撫でてきた。




わっ…。




もっと、動けなくなっちゃうよ。




「学祭のメンバーも、無理やり入れられたよーなもんだし。やることやってるから、大丈夫」




八雲くんがそう言うなら、きっと大丈夫なんだろうね。




多少の強引さはあれども、メンバーとうまくやってそうな気がする。




「そっかぁ…」




「ん。じゃな。また明日」




この間は駅から電車に乗ってたけど、今日は走って帰って行った。




まさかまた送ってもらうことになるなんて…。




明日は、ちゃんと早めに帰るようにしよう。




玄関を開けると、家の中が真っ暗なのに驚いた。




あれっ…。




リビングへ行くと、テーブルの上に置手紙があった。




“今日は職場の人と、ご飯を食べに行って来ます。カレーがあるので温めて食べてね”




お母さんの字だ。




そっか、ご飯を食べに行ってたから電話がなかったんだ。




セーフ…。




今でこそ門限はないけど、中学のとき友達と出かけて20時過ぎに帰ったとき、こっぴどく叱られたからなぁ…。




そのときのことが頭から離れなくて、今日も焦っちゃった。




もう高校生だし、さすがにそこまで怒られることもないよね?




だけど一応、バレなくてよかった。




お父さんはこういうところは無頓着で、特になにも言わないんだけどね…。




いつも仕事の帰りが遅いし、今日もまだ帰ってない。