運命の恋、なんて。

「なんだよー、もう帰んのか。ウチ、泊まってけばいーじゃん」




軽く言うよね…。




もしかして、八雲くんしょっちゅうヤスくんちに泊まってる?




「とにかく!あたし、帰るね。さよならっ」




少しでも早く帰らなきゃホントにやばい。




家に電話を入れるか迷うけど…お母さんから電話がないってことは、今日が塾の日だって勘違いしてる?




こんなに遅くなったことはないけど、ドラマ見ててあんまり気にしてないのかも…。




電話が鳴る前に、帰らなきゃ。




強引にゲーセンを出ると、後ろから八雲くんが追いかけてきた。




「待てって、ちゃんと送るから」




「いいんだってば、迷惑かけられないし」




「迷惑じゃない。また言ってる…本気で怒るぞ?」




怒るって言いながらも、八雲くんの顔は優しい。




うん…優しいよね。




「ホントに…いいの?」




「もちろん。夜道危ないし、送るよ」




「ありがとう…」




自転車だから大丈夫なんだけどな。




それでも、心配してもらえるってなんて嬉しいんだろう。




この際、八雲くんの好意に甘えちゃおうかな。