運命の恋、なんて。

「やっばーい、あたし帰るね」




塾だって、こんなに遅くなったことないのに。




今日は塾の日じゃないし、家に連絡も入れていない。




お母さん、絶対に心配してるはず。




「家まで送る」




そう言ってくれるのは嬉しいけど、この間みたくなるし大変だよね。




それに、時間を忘れてたのはあたしのせいだし。




「ううん、大丈夫。自転車でシャーッと帰っちゃうから」




大げさに笑ってみせるけど、八雲くんは近くに置いていた上着を羽織るとヤスくんに合図している。




「俺ら、帰るわ。またな」




「いいよ、まだ遊ぶんだよね?八雲くんは、ここにいて?」




あたしのために遊びを切り上げるのも、悪い気がするし…ね。




それに、ヤスくんもなんだかガッカリしているように見える。