運命の恋、なんて。

「とりあえず話せば?」



そう言って、スマホを差し出してくるけど。



「いきなり、話せないよ」



「そか。とにかく、今は胡桃ちゃんだけだから。許して?」



そんな、子犬みたいな目で見られると困る。



許すとか許さないとか、そういう問題じゃないよね。



あたしの、気持ちの問題。



「八雲くんのこと、まだ理解できてない」



「付き合うの、やめないから。もう、好きだし」



ドキッ。



そんな風に、ストレートに言われるともう逃げられない。



熱い眼差しに、捉えられてしまった。



「俺のこと嫌いでもいーから。これから少しずつ、俺のこと好きになって」



くしゃっとした顔で笑うから、もう憎めないよ。



「わかんない…八雲くん、変わってるよね…」



「そーかな」



「そーだよ。それに、嫌いなんて言ってない…」



「だったら…なに?」



甘い表情で、あたしの顎を軽く掴む。



妬かせておいて、好きな証拠だなんて言っておいて。



もう、全ては八雲くんの手中にある。