運命の恋、なんて。

駅前のゲーセンが入ったビルの前に立ち、八雲くんがその裏を指さす。



「そこの裏に友達ん家があってさ。こっち」



「そうなんだ!?」



「そそ」



今まで駅前しか通らなかったから気づかなかったけど、裏手にまわると他の店舗との間にポツポツと住宅がある。



「へ~…家があるんだね。知らなかった」



「もともとこの辺は、古い家ばっかでさ。突然ゲーセンやらカラオケができて迷惑してるみたい」




「そうだよね…」




遊戯施設はビルの中にあるとはいえ、夜遅くまで人通りも多いし昔から住んでる人からしたら騒がしく感じるはず。




「ま、悪い面ばっかでもねーか。この通り、ゲームうまくなったし。あ、住んでんの俺じゃねぇけど」




冗談ぽく笑うと、自転車のカゴに入れていた戦利品を指さす。