運命の恋、なんて。

急いで、八雲くんに電話をかける。



「あ、のっ」



「こんちは。碓井、もしかしたらそっちに行くかも」



慌てまくるあたしとは対照的に、淡々とした八雲くんの声が聞こえてくる。



わざわざ挨拶を入れてくるあたり、なんだか他人行儀な気もしてきて更に違和感が増していく。



今朝、ノンちゃんのことでひどい言い方しちゃったしな。



あたしのせいで先生にも怒られて。



あんな状態だったら、嫌われても仕方ない。



「もう、来ちゃった…」



それでも、碓井くんがなんのために来たのか確認しておく必要がある。



それも全て、ノンちゃんのために。



「そか、それなら速やかに、ノンちゃんを引き渡すように」



「…え?」



淡々とした中にも冗談まじりの言い方に、思わず聞き返してしまう。