「なんで泣いてたの、って聞いても良い?」

涙が止まっても、黙ったままの私に彼女は聞いてきた。

「…瀧はいつも4、5人で話したりしてるよね。あの子達と仲良いんでしょ?」

呼び捨て。
私は少し驚いたけど、特に気にすることもなく答えた。

「そうだよ。いつも、いつも一緒にいたよ。」

「なんで今日は1人で泣いてるの?」

普通だったら、ほっといてよ。って言いたくなるけど、なんでかな、玲さんには聞いてほしかった。

「これ。」

例の動画を見せた。
玲さんは少し考えて言いにくそうに口を開いた。

「これは、その、悪口、とかって事なのかな?」

「そうなんじゃない?…何も言ってくれなかった。」

「…そう。」

玲さんは私の頭に手を置いて、
「大丈夫。大丈夫。」
と撫でた。
不思議と本当に大丈夫な気がして、
気持ちが落ち着いた。