ある日の朝。

「おはよ。」

「おはようマリ、あ、そのストラップ可愛い!」

「でしょ?またおこづかい貰ったから買い物してきちゃった。」

「良いよねぇマリは、うちなんか月のおこづかい超少ないからね?」

「リナだって相当もらってんじゃん、あたしなんかおこづかい無しだよ?」

「ユウナ可哀想~、あ、ねぇマリ」

「なに?」

「サエから教えてもらったんだけどさ、サエ彼氏出来たんだって!」

「まじで?うらやましい~」

少女達はたわいもない会話を続け、
授業を受け、
そしてまた放課後になる。
するとまた始まるのだ。

「ねぇ、ユウナってどう思う?」

「どうって?」

「なんか私不幸アピール酷くない?」

「わかる!構ってちゃんだよねぇ~」

「ねー。いちいちフォローすんのめんどくさいよね。」

「それな!ってかどうでもいいし。」

話が進まなくなると1人、また1人と
帰っていく…

ーーーーーーーーーー

「って感じなの、どう思うよ瀧(タキ)。」

「うーん…」

私はなつかしい友達の声で、今現在のクラスメイトの様子を聞かされていた。
相変わらずだな、と苦笑いしながら
電話で話を聞く。

「でさ、今度は私の悪口まで言われてるらしいの!」

「アカネはその話に参加してるんでしょ?お互い様じゃない?」

「そーだけど…」

「じゃあ文句言わない、じゃあね」

「う~ん…じゃあね。」

ふう。とひとつため息をついた。
私は3週間前くらいにこっちに引っ越してきた。
前の学校は…なんていうか、女の子がドロドロしてる感じ。
私はそういう流れが苦手で、聞き役に徹していた。
でもやっぱり私を気に入らなかった皆は私に悪口を言うことをやめた。
正直気が楽だった。

父親の仕事の関係で転校することになったときは、皆「私達ずっと友達でした。」みたいな顔をして、きゃあきゃあ好き勝手騒いでた。
やっぱりああいう都会の子はそうやって育つのかな?偏見?
私にはのんびりしたこっちみたいな田舎の方が性に合ってるな。