「いやだなぁ、そんなに固まらないでくださいよ。もしもの話なんだから。」
「あ…ははっ…そうっすよね〜。」
なんだよ今の。
身体が動かなかった。
一瞬でこの人の顔が変わった。
ドクン
本能的にヤバイと感じた。
冷や汗まで出てきた。
「もし若菜に何かあったら、すぐ教えてくださいね?霧崎先生。」
「…はい。あ、ひとつ聞きたいんですけど。いいっすか?」
「いいですよ。」
「藤堂っていつから、ああなんですか?」
「昔から…かな。」
あ…優しい顔に戻った。
「いつも元気に笑ってて…いつの間にか周りに沢山の人がいて。若菜は何もしてないつもりでも、周りのみんなは若菜に救われてる。」
ずっと…変わらないのか。
藤堂らしいな。
この人も、救われた内の1人なんだろうな。
「でも…本当はあいつが一番救われるべきなんだ。」
そう言って、俯きながら拳を強く握りしめる。


