「卒業生、起立。」

カナト先輩の合図でみんなが立つ。

周りがざわついた。

「先生方、今までありがとうございました。」

「「ありがとうございました。」」

先生達は嬉しそうに泣いていた。

「保護者の皆さん。ここまで育ててくれてありがとうございました。」

「「ありがとうございました。」」

保護者の方達も少し照れ臭そうに泣きながら笑っていた。

「そして、在校生の皆さん。…特に1年6組、藤堂 若菜!」

ビクッ

みんなの視線が私に集まる。

「ありがとう。本当に…ありがとう。」

「「ありがとう!」」

先輩っ!

ぽろぽろっ

ガタッ

「こちらこそっ…先輩達本当にありがとうございましたっ!」

みんなに注目されてるのに、全然気にならなかった。