美和side

ほんと、バカでお人好し。

うその話なのに簡単に信じて。

私は演技なのに…あの子は本気で泣いていた。

自分のことのように、辛そうな顔をした。

「優しいのね。若菜ちゃんて。」

「「あぁ。」」

月華。

あんた達、少し前までは誰も寄せ付けない雰囲気を放っていたのに。

喧嘩の時だって、普通の時だって、つまんなそうにしてたのに。

今じゃ全然違う。

きっと、あのバカなお姫様のおかげで変わったんでしょう?

あの子の名前を出すだけで

こんなにも優しい顔をするのだから。

でも…私はあなた達を潰すためにここに来た。

それは変わらない。

だから

もっと私を信頼させないとね。