「てことでよーいち、俺若菜連れて帰るわ。荷物とかはよろしく。」

「おぅ。気をつけろよ。」

日比谷は若菜をおんぶして出て行った。

けど

なんで洋一郎さんと日比谷はこんなに親しげなんだ?

今あいつ、よーいちって…。

「洋一郎さんは、あいつと知り合いなんですか?」

「あぁ。」

「どうして…あいつは月華の敵なのに…。」

「俺の頃はまだ、牙王とは敵対してねーよ。てか、今だって敵対はしてるけど実際何かあったとかじゃねーしな。」

それは…そうかもしれないけど。

それにしたって…親しすぎだ。

「別にいいだろ。俺が誰と親しかろうが。お前らはお前ら。俺は俺。それに真実を教えるわけにはいかないからな。」

真実?

「それってどういう…」

「さぁ?じゃあな。」

そう言って洋一郎さんも出て行った。

「なぁ…どういうことなんだ?今のって…。」

俺だってわからない。

「わからないけど、俺らに何かの"真実"を隠してるってことだよな。」

その真実ってなんなんだよ。