そう言って自分の列へ戻っていく若菜。
「李人。」
「ん?」
「若菜が俺にバトンを渡したら、あいつのこと頼む。もう限界みたいだ。」
「っ!わかった。」
バトンがどんどん渡っていき、若菜が走り出した。
風が吹き抜けるかのように走る若菜。
あっという間に、こっちまで来た。
俺が1人抜けば1位でゴールできる。
若菜の方は見ずに、俺は前だけ見てはしる。
パシッとバトンが手に乗った。
「ありがと…綾人。」
!
消えてしまいそうな声で若菜は言った。
こんなん、勝つしかねーじゃねーか。
俺が走り出したあと、会場がざわついた。
若菜が力尽きたんだろう。
でも、それは李人に任せてある。
今はゴールするしかないんだ。
それが、お前の望みだろ?若菜。
ボロボロなくせに、ここまでお前は頑張ったんだ。
ここまで会場を盛り上げたんだ。
だから、今日くらい特別にお前の望み叶えてやるよ。
「ゴォォオル!1位は2年3組だぁぁあ!!!」


