「まぁ、とにかくもう帰れ。下校時間だから。あと学校来るならちゃんと授業出ろ。」

「「…」」

さてと、戻るかな。

藤堂と理事長が心配だし。

あ、でも黙ってたこと怒られそうだな。

やれやれ。本当大変だな。この学校は。

さっきの場所に戻ると藤堂は寝ていた。

目元が濡れてるから、きっと泣き疲れて寝たんだろう。

理事長は優しい顔で藤堂の頭を撫でていた。

「俺、あいつらになら任せられると思ってた。あいつらは何があっても若菜を信じてくれるって思ってた。」

そりゃそうでしょ。自分も入ってた月華の、後輩なんだから。

それに、藤堂と一緒にいるあいつらは心から楽しそうだった。

「こうなるなんて、誰も予想してなかったですよ。」

「それでも、関わらせちゃいけなかった。」

「止めたって関わってたと思いますけど?藤堂なら。」

こいつはそういう奴だから。

「そうかもな…。」

理事長は悲しげに笑った。