「そんな顔しないでよ〜。過去は過去。今は今なんだからしょうがない!でも未来はこれからなんだからきっと大丈夫だよ!」

またそうやって、若菜は笑うんだ。

どんな時でも。

「さて、じゃあみんなで帰るよ!アイスを買って!」

いや、なんでアイスなんだよ。

「今ね、ちょうど駅前のアイス屋さんで新作の桜ジェラートが売ってるの!行きたかったんだー!」

ふぅ。ったく。

一気にさっきまでの重たい空気を吹っ飛ばしやがって。

でも、やっぱりその笑顔のほうが若菜らしい。

「俺バニラ!」

「俺はチョコ!」

「抹茶!」

「クッキー&クリーム!」

「ストロベリー!」

「キャラメル!」

「チョコミント!」

「よし!決定だね!」

嬉しそうに笑う若菜。