「……え」 誰だ、と振り返る私。 目の前には、いかにも今来ました、というふうにマフラーを巻いたまま立っている男子がいた。 「……明斗」 クラスメイトの明斗永志。 手をズボンのポケットに突っ込んで、薄ら笑いを浮かべている。 「ちょっとお金返してよ」 「問題ですっつったろ?」 笑いながら私が買おうとした自販機とは別の自販機に彼はお金を入れた。 ……そのお金は私のお金だ。