「本当ですよ。」


「初めてね。新田君に私からキスしたの。」


そう言うと、彼は驚いた顔をしていた。


「なによ。」


「先輩。ゲームのキスはノーカウントって
言ってたのに。

これは期待してもいいってことですか?」


そしてまた怪しく笑った。


「これも気まぐれよ。」


「誰かを心配して走るのは初めてです。

先輩の気まぐれが見れるなら、それも悪くないですね。」



そんなにゲームに勝ちたいのか?

これも作戦?


『誰かを心配して走るのは初めてです。』


今まで言われたどの甘いセリフより

嬉しく感じた。