「すみません。」 息ひとつ荒れないこいつに無性に腹がたつ。 「社内ではもうしないで。」 無駄にドキドキしてしまうから。 「俺 先輩と重なるの好きですけど キスしてるときの先輩の顔を見るの方が好きなんですよ?」 彼は私の嫌いな目をする。 そんな恥ずかしいセリフをさらっと言い放ち、私の反応を伺い そして見抜かすようなその目が。 嫌い。こんな奴なんて。 「冗談でも気持ち悪いわ。」