「神長倉夢希」



“かなくら ゆの”


彼は、確かにわたしの名を呼んだ。



「好きだ! 俺と、付き合って」


「う、うん!」



思いきってうなづいた。


素直に嬉しかったから。


まさか、ひとめぼれが一瞬で叶うなんて。


わたしの落とし物を2度も拾ってくれた人。


水俣くん。


名前、知っててくれたんだね。


わたしにも教えてください。あなたの下の名前。


そして、わたしとあなたの本当のはじめましてを____