【完】オオカミ先輩は溺愛中





教室の扉には、昨日の女の先輩の姿が。





私は、ビクッとした。




教室にいた生徒の視線で、女の先輩に居場所がバレてしまった。




「蒼衣、まずくない?」



「う、うん.....」



めぐみが私に耳打ちをしてきた。




女の先輩は私の居場所が分かると、ドカドカと教室に入ってきた。




私のところへ一直線。



「話したいことがあるんだけど......ここじゃ何だから、ついてきてくれないかな?」




にこっと笑う。



でも、口元は笑っていても、目が全然笑っていない。





その目力に勝てなかった私。



無言で頷いてしまった。




「ちょっと、蒼衣、大丈夫?」



「大丈夫だよ。」



「う、うん......」



めぐみは煮えきれないように返事をした。