【完】オオカミ先輩は溺愛中






チラッと横目で、先輩の隣を歩く女子生徒の顔を見た。



はっきりは分からなかったけれど、リボンの色からして一つ上だ。




先輩と、同い年。




そして、メイク禁止なこの学校に、ばっちりメイクしてきていた。




そのまま通り過ぎて帰ろうと思っていた。



が、



「あれ、蒼衣ちゃん?」



たまに脳天気な先輩。



追い越した私に、声をかけてきた。




私は、ゆっくり振り返った。




「やっぱりー!」



キラキラした笑顔を私に向けた先輩。



私も笑いかけた。




でも、そんな笑顔な先輩とは正反対の表情を浮かべている隣の女の先輩。



私は気づかないふりをした。