そ、それでも!
今日はたくさんおごってもらったし、それに家まで送ってもらうなんて!
申し訳なさすぎる!
「お願いです、私のいうこと聞いてください!」
「頭上げてよ!」
私は全力で頭を下げた。
「もし、ついてくるって言うならこのまま土下座します!」
「わ、分かったから!」
何とか納得してくれた先輩。
「本当に、気をつけて帰れよ??」
「今日は、本当にありがとうございました!」
「こちらこそ、楽しかったよ!また2人で行こうね?」
2人で......
「はい!」
私はもう一度先輩に頭を下げ、歩き出した。
なんか、とても楽しかった気がする......
先輩が、狼先輩に豹変した、けど.......
素敵な夏の思い出が、できた。
私は先輩との思い出を胸にしまい、家に帰った。
まさか、私を心配した先輩が、
私が家に帰るまで、私のあとをついていたなんて。
私は知ることはなかった。