「ふーん.....蒼衣は嘘つきだね。」
しかし、先輩にバレてしまった。
「こんな至近距離なのに、蒼衣がドキドキしてるかしてないか、俺が分からないと思った?」
「わ、分かってたんですか?」
私がドキドキしてるって、バレてた.....
先輩は、私がドキドキしてるって知っててあんな質問.....
「蒼衣は、俺に嘘つくの。」
「あ、ご、ごめんなさい。」
「お仕置きが必要かな?」
危険を察知したときにはもう遅かった。
なんか.....いつもと先輩の様子が違う。
こんなに強引な先輩、初めて。
まるで、獲物を見つけた狼みたいだ。
そんな狼に捕まった獲物が、私だ......
「は、花火が始まりますから!」
「そうやって話逸らしても無駄だよ。」
先輩は、私の体を少し話すと、顎を持ち上げた。

