私は、ゆっくり先輩の腕の中に。
先輩はそのまま私を抱きしめた。
ドキ、ドキ、ドキ、ドキ......
心臓が尋常じゃないくらいに早く動いてる。
こんなんじゃあ、先輩にバレちゃうよ.....
「ねぇ、今もドキドキしてるの?」
「え?」
「今日、言ったよね。俺と手を繋いでるとき、ドキドキしてるって。」
それは、言いました、けど......
「今は?
俺に抱きしめられて、ドキドキしてる?」
「.......し、てない......です......」
とっさに嘘をついてしまった。
恥ずかしくて。
恥ずかしすぎて。
先輩に抱きしめられて、ドキドキしてるだなんて、
素直に言えなかった。

