お、お仕置き!?
「でも、私苦手で......」
「じゃあ......俺はポイ1本。蒼衣ちゃんは2本で2回チャンスあげるよ!これでどう?」
先輩は、どうしても私と金魚すくいの競争をしたいらしい。
私は渋々うなずいた。
金魚すくいの屋台。
「3回分。」
と、屋台のおじさんにお金を渡した先輩。
「え、じ、自分で払います!」
「こんな少しいいから!」
「ダメですよ!」
先輩なんだし、たとえ数百円でもおごってもらうだなんて!
「じゃあ、蒼衣ちゃんが俺に勝ったら、お金もらってあげる。」
「......わかりました。」
先輩は、頑固なところが少しある。
こうなったら、何が何でも勝たなくちゃ。
私は、浴衣の袖をめくりやる気満々。
ねらいを定めて、金魚すくいを始めた。

