夏祭り当日。
「ううっ.....苦しい......」
お母さんに浴衣の帯を巻いてもらってる。
やっぱり、毎年着ていても帯を巻くとお腹が締められて苦しい。
髪の毛もセットしてもらい、頭に花の飾りをつけた。
夏祭りの時はいつも、お母さんに髪の毛だけじゃなくて、メイクもしてもらう。
高校の周りの子は雑誌を見たりして、自分でやってる子もいる。
最終的には自分もそうやって自分でもメイクできたりしたらいいな、なんて思ってて。
「はい、完成。」
最後にメイクをしてもらい、すべての準備が整った。
これから、真祐先輩と夏祭り......
真祐先輩も浴衣を着てくるって言ってたよね。
あー......何か緊張。
私は下駄を履くと、お家を出た。
待ち合わせ場所に近づくたびに、ドキドキと胸の高鳴りが大きくなっていく。
公衆電話の前で立っている真祐先輩を見つけた。