あと一週間。
夏休みが始まるのが待てない。
テスト期間は午前中で放課。
ホームルームが終わり、めぐみと一緒に帰ろうと思っていたときだった。
「あーおーいーちゃんっ!」
と、聞き覚えのある甘い声。
教室の扉には、真祐先輩の姿が。
ほとんどの生徒がもう教室を出ていたため、あまり大騒ぎにはならなかった。
真祐先輩の隣には、もう一人男の先輩が立っていた。
確か、この先輩は、“あの事件”の時に真祐先輩と一緒にいた人。
うっすらだけど、覚えている。
「ど、どうしたんですか?」
「んー?ちょっと、蒼衣ちゃんに用事!」
と、教室に入ってきた真祐先輩。
私に用事?
どんな用事だろう。
「ズバリ言うね!」
「は、ない!」
「ズバリ!蒼衣ちゃんは、俺と夏祭りに行く!」
な、夏祭り!?