耳の奥でこだまする、真祐先輩が私の名前を呼ぶ声。
頭に浮かぶ先輩の顔。
きっと、いろんな経験を積んできたからあんなことができるんだな。
なんか、感心しちゃう。
私は、そういうの全くないし。
それに、あの女の人......
真祐先輩の、彼女の人かな......?
そう思ったら、なぜか少しもやもやしたけど、気にしなかった。
あのモテモテな先輩だもん。
きっと彼女のひとり、いるよね。
でも、朝から先輩に会えたこと、心の隅で嬉しく思っていたのも事実。
モテモテで大人気の先輩が、私に会いたいなんて言ってくれたから。
嬉しいのは当たり前なんだ。
私はどうにか体に力を入れ、立ち上がった。
カバンを持ち、自分の教室に向かった。