先輩の言葉に、口ごもる。
私を照れさせる、天才なのかもしれない。
きっと先輩は、私にどんなことを言えば私がどんな反応をするのか、わかっているんだ。
「蒼衣は？」
「私？」
「俺のこと、どう思ってんの？」
わかっているのに。
私が先輩のことをどう思ってるかなんて。
先輩もわかっているのに。
そうやって意地悪をする。
だけど、そんな先輩に惚れた私。
そんなところが好きな私。
どんなに先輩の流れに流されたとしても、これからも私は先輩について行くんだろうな、って思う。
「どうって、それは.....」
「それは？」
「......き.....」
「きーこーえーまーせーんー。」
だ、だってこんな事、恥ずかしくて言えないよ！
心の中ではちゃんと思っていても、いざ口にしようとすると恥ずかしさでどうにかなりそう。
「.....す.....き.....です.....」
しかもこんな下校中に。
もう、顔が熱くてどうにかなってしまいそうだ。
私は再び顔を下げた。
