【完】オオカミ先輩は溺愛中





私はその、先輩らしさが好きなんだと思う。




まさか私の初恋が先輩になるなんて、思いもしてなかったけど。





「蒼衣。」




「はい?」




「今日も泊まりにくる?」




「はい!?」






いきなりの先輩の言葉。




きょ、今日もお泊り!?





いや、先輩とお泊りしたくないわけではない。




むしろまた、先輩と一緒にお泊り会したいけど、急に言われると心の準備が......






「はは!冗談だって!」






ひとりで焦っている私を見て先輩はおかしそうに笑う。




そんなのも日常になってきていた。





色いろなことが日常として当たり前になってきている。





だけどそれは、かけがえのないことなんだってこと、私は忘れたくない。





失って気づいて後悔する。




そんなこと、したくない。





先輩と一緒にいられること。




先輩と一緒に笑えていること。




先輩の隣に私がいること。





当たり前になってきてるけど、当たり前ではない。





「からかわないでくださいよ。」





「でも、このまま家に持って帰りたいのは本当だけど?」