【完】オオカミ先輩は溺愛中






いつでも私より上手だ。




「さて、蒼衣ちゃんは、どんなこと考えてたのかな?」





にやっと笑う先輩。




「だ、だから、お泊まり会の........」





「お泊まり会の?なに?」




「お泊まり会のことです!」




「お泊まり会って言ったって長かったし。」





うっ........




言葉が見当たらない。




なんて言えばいいのかな、こういうときは。





先輩の笑みは、すでにオオカミ先輩の笑みで。




私がどんなことを考えて顔を赤くしていたのか、先輩にはすべてお見通しのようで。






「俺とキスしたこととか?」




「.......っ......」




「俺が蒼衣の華奢な体をベッドに押し倒したこととか?」




「そ、それ以上........言わないでください......っ..........」





そんな、甘く囁かないで。




体に力が入らなくなってくるから。




体が、熱くなってくるから。





「図星?」




私は、小さく頷いた。




こんなこと、先輩にバレたくなかったのに。





先輩とのお泊まり会で、先輩とキスしたこととか思い出して。




また恥ずかしくなってるなんて。





私は恥ずかしさのあまり、下を向いた。




顔なんて上げられません!!





きっと、変な人だと思われたもん。




絶対に思われた!




下を向いていると、先輩に肩をトントンと叩かれた。




「な、何でしょう......」




先輩の顔が見ることが出来ず、俯いたまま返事をする。