【完】オオカミ先輩は溺愛中





なんとか授業を切り抜けた。




放課後。




先輩の隣を歩く通学路。




チラッと歩く先輩の横顔を見上げた。





私が顔を見ていたのに気づいたのか、私が前を向く前に先輩も私の方を向いた。





「どした?」




「い、いえ、なにも.......」





なんか、気まづいな......




めぐみに色々聞かれたせいで、お泊まり会のことが鮮明に思い出されて。





めぐみが望んでいるようなことはなかったけど。





それでも、色々あったといえば色々あった。





「顔赤いけど?」




「うそっ!?」





私は両手で頬を押さえた。




私、赤面症ではないんだけどな.......





いつの間に赤くなってたんだろう。




「蒼衣が何考えてたのか、当ててあげようか。」





「え.......」





「この前の泊まりの時のこと考えたでしょ。」





ず.......図星で。




言葉が出なかった。




「な、なんでですか?」



「蒼衣の考えてることなんて、お見通し。」





得意げに、先輩はそう言った。




か、適わないな、先輩には。