鼓膜が破れるかと思うほどに。
「お、お泊まり会の時にそう言われて......」
「蒼衣、本当に何にもされてない!?無傷なの!?」
さっきとは打って変わって私のことを心配そうに見るめぐみ。
い、忙しい人だ。
「ま、まあ、キス、くらい.......?」
なんか、自分で言って恥ずかしくなってきた。
言わなければよかったと、言ってから後悔した。
「キス、ねぇ。」
「な、なに、そんな見つめて......」
「キスにも、種類があるじゃない?」
うっ........
さすがめぐみさん。
私もよりも恋愛に関しては先輩だ。
「そーんな、顔赤くして。蒼衣の顔見ればなんとなくわかるわ。」
と、ひとりで納得していた。
「も、もうこの話は終わりにしようよ......」
話してるのがだんだん辛くなってきた。
お泊まり会のことが思い出される。
先輩の声とか
先輩の言葉とか
先輩の温もりとか。
お泊まり会と同じように、ドキドキと胸が踊る。
今日の授業中。
お泊まり会のことを思い出して、上の空だったのは言うまでもない。