声が裏返るほどに、めぐみは大声を出した。
キーンと耳が痛い。
「上ったの!?大人の階段!!!」
め、目が怖いですって、めぐみさん......
「の、上ってないよ......」
特に何事もなく、お泊まり会は終えることが出来た。
めぐみが望むようなことは何もないと思うけど......
「同じ布団の中で、一夜を過ごしたのに!?しかもふたりっきりなのに!?」
「う、うん......」
「嘘つけぇぇぇーーーーっっ!!」
こ、声が大きいってば!
なんで朝からそんなに興奮気味なのか.....
「本当になんにもないんだってばあ。」
いつになったら信じてくれるの?
どれだけ私が言っても納得がいかないらしいめぐみは、首をかしげながらぶつぶつと独り言を言ってる。
「それは真祐先輩がとてつもなく優しいのか、チキンなのか、どっちかだな......」
「真祐くんは優しいんだと.......」
と、普通に言ったつもりだったのに。
ものすごい勢いで顔を私の方に向けためぐみ。
「真祐、くん!?」
「えと.......どうかした?」
なんか、変な事言ったっけ?
「いつの間に君付けになったの!!!!」
今日のめぐみは、驚く度に大声を出すから。