荷物を持ってくれた先輩。
「お邪魔しました!」
先輩の家をあとにする。
私の家までの道を、どちらかが何か言うわけでもなく、自然と足を進めるスピードが遅くなる。
他愛のない話をして、家までの道のりを歩く。
先輩とたくさん一緒にいても、話すことがなくなることなんてなくて。
一緒にいる時はいつでも楽しくって。
でも、楽しい時間はあっという間で。
「ほい、到着~。」
家に着いてしまった。
「本当にありがとうございました!」
「こちらこそだよ!すげー楽しかった!」
忘れられない思い出が、またひとつ増えた。
先輩との思い出が、どんどんできていくことがすごく嬉しい。
「また、泊まりにおいで。」
「はい、ぜひ!」
私がそう答えると、先輩は一瞬、私の唇にキスを落とした。
満足そうに笑うと、先輩は来た道を戻って言った。
楽しい時間を、ありがとうございました。
また、学校で会いましょう。
先輩の背中が見えなくなるまで。
私は先輩のことを見送った。
こうして、お泊まり会は終わったのだ。