「ごめーん!」
「行こ~!!」
私とめぐみは、次の授業の教科書を持ち、教室から出ていった。
廊下は、ガヤガヤとしている。
めぐみと雑談をしながら、移動教室を目指す。
階段を上り、角を曲がったときのことだった。
───どんっ!
誰かに、思い切り正面からぶつかってしまった。
でも、それならよかったんだけど。
「きゃっ!」
私は、ぶつかった衝撃に耐えきれず、そのまま後ろに倒れた。
すべてが、スローモーションに見えた。
「あ、蒼衣.......!?」
「あーあー......」
めぐみの声と、聞き覚えのない男子の声。
何が起きてるのか......
現状が理解できない。