先輩が私の隣からいなくなるってことが、想像つかない。
このまま、先輩と抱きしめってたら、また寝ちゃいそう。
先輩の腕の中が心地よすぎて。
再びウトウトしてくる。
「まだ寝る?」
「ん........」
遠くでそんな先輩の声が聞こえ、そのまま私は夢の世界へ入った。
あれからどのくらい寝ただろう。
しばらくして、意識が戻ってくる。
眠い目を開けると、隣にいたはずの先輩の姿がなかった。
あれ........
ゆっくり体を起こす。
私、また先輩の腕で寝ちゃったんだ。
ベッドから起き上がり、先輩の家のリビングに向かった。
「あ、蒼衣、起きたか。おはよ。」
「お、おはようございます.......」
リビングの扉を開けると、ご飯の準備をしている先輩の姿。
「ちょうど出来上がって、蒼衣のこと起こしに行こうとしてたとこ。」
「ご、ご飯だ.......」
私が寝てたから、先輩がひとりで作ってくれたんだ。

