【完】オオカミ先輩は溺愛中





天井と先輩の顔が見える。




先輩の瞳はがっちりと私を捉えている。





「理性のきかない男でごめんな。」





そういうと、再び唇を重ねてくる。



びっくりしたけど。




こんなの初めてだけど。




いやだと思わない私はきっと、先輩のことが好きだから。





だからきっと、こうやって、先輩のキスにどうにか応えようとしている。





「....っ....んん.....」





「頼むから、そんなに煽んないで.....」





ギューーーーッと、私の体をきつく抱きしめた先輩。





「先輩.....ドキドキ、してる.....」





強く抱きしめられて、先輩の心臓の音が伝わってくる。







私と、負けないくらい早く動いていた。




「当たり前だろ。」






......嬉しい。





嬉しい.....!!




先輩も、ちゃんとドキドキしてくれてたんだ。






いつも平常心だから。




いつも、いつも通りだから。




私だけなんじゃないかって。





いつも、私だけドキドキしていたんじゃないかって。




不安だったから。





「私、だけかと思ってた.....から.....」





「バーカ。蒼衣といるとき、いつもドキドキしてんだよ。


だけど、そんな素振り蒼衣に見せたら、男としてカッコ悪すぎだろ。」





と、笑う先輩。



もう.....好きだ。




そういうところ、大好きだ。




そんな気持ちを込めて、私も先輩の背中に手をまわして、ギューッと先輩を抱きしめた。