「持ちますよ!」
「ダーメ!」
「ひとりじゃ重いです!」
「逆にそんな重いもの女の子には持たせられない。その上大切な彼女だしー。」
ほらまた。
私の胸が飛び跳ねるようなことをサラッと。
両手に袋を持っている先輩。
一つくらい持たせてくれてもいいのに、先輩は断じて私には持たせないらしい。
「こういうのは、男に持たせておけばいいんだよ。」
それでも私だけ何も持たないなんて.....
結局、袋を持たせてもらえず、家についてしまった。
キッチンに買ってきた材料を置く。
「さ、作るか!」
やる気満々な先輩。
私も男の先輩に負けてられない!
ここは女を見せるところだ。
手を洗い、夜ご飯づくりがスタートした。
□■□■
「はい、こねてーー!!!」
「はい!!」
ボールにひき肉と細かく切った野菜と卵を入れ、こね始める。
心の中で、『おいしくなーれ。』と思いながらこねている私は少しばかり、お子ちゃまかもしれない。
両手でひき肉をこねているとき。
「蒼衣?」
ふいに隣から先輩の声が聞こえた。
手を動かしながら、先輩のほうに顔を向けると、
───ちゅ

