電話を片手に歩くこと数分。




『蒼衣、待ってた。』





電話越しからも、直接でも聞こえた先輩の声。




先輩の家に到着した。





「荷物重かったでしょ。貸して!」




先輩の家に泊まるための着替えなどが入ってる大きめの荷物を私の肩からひょいと持った先輩。






そんな何気ないやさしさに、今でもいちいちキュンとくる。





「さ、あがって!」





先輩の声に促され、家に入れてもらう。





「お邪魔しまーす。」





先輩の家ということもあり、緊張で声が出ない。




先輩に案内されて、先輩の部屋らしきところについた。







「適当に座ってて!飲み物持ってくる。」





そう言って部屋を出た先輩。