お泊り会当日。




「よし......っ!忘れ物なし!」




大きなカバンの中身を見直し、先輩の家にお泊りに行く準備を整えた。






お母さんとお父さんには、高校の友達の家に泊まりに行くとうそをついている。




めぐみっていうと、家族ぐるみで仲がいいから、いつかウソがばれちゃうかもしれないし。




私にはまだ、先輩が自分の彼氏だということを、親にいう勇気がなかった。





お昼過ぎ。






ひとり家を出た。




「先輩?今家出ました!」




片耳にケータイ。



先輩と電話しながら、先輩の家までの道なりを教えてもらう。





先輩は、家まで迎えに来るなんて言ってたけど、申し訳なさすぎるもん!!




家まで行くのに、わざわざ往復させるなんて。







何とか説得させて、自分ひとりで行くことになった。




『右方向にコンビニ見える?その角、右に曲がって。』





「はい!」






荷物はちょっと重いけど.....




楽しさで、そんなこと忘れてしまう。