【完】オオカミ先輩は溺愛中






1人でその場に立ち尽くす。





先輩が隣で手をつないでくれていても怖かったのに、1人になっちゃったなんて.....






前に進んでも、脅かす人がいるだけだし。





だからといって1人で戻る気にもなれない。






あたふたしていると、後ろからかすかに足音が聞こえてきた。





あ、あれ.......




誰か近づいてくる。





体が固まって、その場から動けなくなる。






後ろを振り向くこともできない。






そして、ぽんと肩に誰かの手が置かれた。






「いやぁぁぁーー!」





「おい!落ち着け!」





「助けてください、ごめんなさーーーい!」





「蒼衣っ!!」





そう、大きな声が聞こえ、我に返る。





ゆっくり振り向くと、そこには先輩の姿が。






「せ、せんぱ.......っ.......」





「おう。」





私は勢いよく先輩に正面から抱きついた。