それでも、あんなこと言うなんて......
「本当に、怖がって俺の腕にしがみついてくれたときとか、可愛すぎてどうにかなりそうだった。」
胸がドキドキとうるさくなる。
「許してくれる?」
そ......んなこと言われたら......
そんな色っぽい声で。
私のことをまっすぐに見て。
「こ、今回だけです.......」
許すしかないじゃん.......
「さすが蒼衣!」
ぽんと私の頭に手を置いた先輩。
私、先輩に弱いな.......
すぐに許しちゃうし。
単純なのかなぁ......
「さ、今度は楽しいところに行こ!」
先輩に手を握られて、私たちは歩き出した。
文化祭はものすごいにぎやかだった。
いろんな模擬店があって。
お化け屋敷に入った怖い思いを消すように、私と先輩は笑いながら歩いた。

