ハッとして、私は先輩の腕から離れた。
「ご、ごめんなさぃ。」
どさくさに紛れて、私ってば何してるの......
先輩の腕に反射的にしがみついてしまったことが恥ずかしくなる。
───ドンドンドンッ!
「いやぁぁぁぁーーっ!!」
しかし、照れている余裕なんてない。
次から次へとおばけや、びっくりすることが起こる。
「ぅぅ......っ.....」
あまりの怖さに、目には涙が浮かんできた。
何とか涙が流れてしまわないよう、足をゆっくり前に進める。
「あと少し、頑張れ。」
隣から聞こえる温かくて優しい先輩の声。
あと少し。
あと少し歩けばこの恐怖から抜け出せる!

